洒落る(読み)シャレル

デジタル大辞泉 「洒落る」の意味・読み・例文・類語

しゃ・れる【×落る】

[動ラ下一]《動詞「しゃ(曝)る」の意からの派生という。「洒落」は当て字
服装髪形などに気を使って身を飾る。おしゃれをする。「―・れて新年会に出かける」
気がきいている。あか抜けしている。「―・れた店を出す」「この柄はなかなか―・れている」
しゃれを言う。「―・れたつもりが通じなかった」
生意気である。差し出がましいことをする。「―・れたまねをしやがる」
[類語](1着飾るよそおめかすよそめかし込む扮する洒落込む着込むおめかし身綺麗ドレスアップドレッシー純美着映えきらびやか洒落しゃれ/(2勿体ぶる澄ます格式ばる気取る瀟洒しょうしゃ清楚せいそ楚楚そそあか抜け灰汁あく抜け洗練気さくこざっぱりすっきりさらり小洒落こじゃれあか抜けるさばけるスマートシック綺麗美しい美美びびしいきらやか鮮やか美麗華麗華美鮮麗流麗壮麗清麗優美美的麗しい見目好い見目麗しい端正端麗秀麗佳麗艶美艶麗あでやか妖麗豊麗妖美見好い小綺麗美妙典麗ビューティフルピトレスクピクチャレスクラブリービューティープリティー玲瓏れいろう薄皮のけたよう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「洒落る」の意味・読み・例文・類語

しゃ・れる【洒落】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
  2. 服装・動作・言語などすべてが当世ふうで気がきく。あかぬけしたふるまいをする。もまれて洗練される。
    1. [初出の実例]「しゃれたる所は、雪のうちのもうそうのおもひ入あり」(出典:評判記・野郎虫(1660)竹中小太夫)
    2. 「しゃれるもあれバやぼなも有り」(出典:談義本・興談浮世袋(1770)一)
  3. 習熟する。その道のことによく通じる。
    1. [初出の実例]「太夫職になしみて此道にしゃれるほど」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)三)
  4. なまいきなまねをする。きいたふうなことをする。
    1. [初出の実例]「小子のしゃれすぎ、こましゃくれたが」(出典:仁説問答師説(1688‐1710)宝永三年講)
  5. 変わった物事を好んで、粋(いき)がる。
    1. [初出の実例]「女郎も衣つきしゃれて、墨絵源氏、紋所もちいさくならべて袖口も黒く」(出典浮世草子・好色一代男(1682)六)
  6. はなやかに着飾る。おめかしをする。おしゃれをする。
    1. [初出の実例]「冬牡丹のしゃれ過たる」(出典:俳諧・本朝文選(1706)三・譜類・百花譜〈許六〉)
  7. 語呂合わせなどの滑稽な冗談を言う。秀句・地口(じぐち)を言う。
    1. [初出の実例]「哂落本の哂落を見て哂落る哂落は哂落た所が哂落にもならねば」(出典:洒落本・田舎芝居(1787)序)
  8. 色気づく。
    1. [初出の実例]「夜も父母の真中に寝て、心はしゃれてありながら」(出典:浮世草子・魂胆色遊懐男(1712)一)
  9. たわむれる。ふざける。
    1. [初出の実例]「ナニやかましいと〈略〉あんまりしゃれるなヨ」(出典:人情本・春色辰巳園(1833‐35)初)
  10. 遊里で遊ぶ。遊興する。
    1. [初出の実例]「山へ往って洒落(シャレ)て来よう」(出典:歌舞伎・富岡恋山開(1798)三幕)
  11. 情景などにふつうとはちょっと違った面白み、新しさなどが感じられる。得意になれるような見栄えのよいさまである。
    1. [初出の実例]「軒下から丸い手水桶を鉄の鎖で釣るしたのは洒落れて居るが」(出典:趣味の遺伝(1906)〈夏目漱石〉三)

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