滅法(読み)メッポウ

デジタル大辞泉 「滅法」の意味・読み・例文・類語

めっ‐ぽう〔‐ポフ〕【滅法】

[名]仏語
因縁によって生じたのではないもの。無為法
涅槃ねはんのこと。
[形動][文][ナリ]道理にはずれるさま。常識を超えているさま。
「是豈―なる間違いにあらずや」〈逍遥当世書生気質
[副]並みの程度でないさま。はなはだしく。「けんか滅法強い」「朝方滅法冷える」
[類語]狂的アブノーマル異常特異異状異例非常別条不自然変ちくりん変てこ変てこりん余りおかしい異様奇異奇妙みょう面妖めんよう不思議不可解不審奇怪奇態風変わり妙ちきりんけったいおかしなきてれつ珍奇新奇珍妙奇抜奇警奇想天外突飛ファンシー突拍子もない言語道断無茶めちゃむちゃくちゃめちゃくちゃめちゃめちゃ法外無理乱暴無体理不尽非理不当不条理不合理非合理迚も非常大層大変極めて至ってはなはすこぶ至極しごくごくいとも実にまことに大いにいたく・ひどく・恐ろしくすごくものすごく無茶さんざっぱらさんざんさんざこってり無性にやたらむやみみだりむやみやたらめったやたらめったやみくもあまり無下に後先なし無謀無鉄砲めくら滅法盲目的後先見ず向こう見ず命知らず破れかぶれ切実切切痛切つくづくつらつらひしひししみじみこころからしんから心が動くこよなくぞっこんじいん度外れ途方もない途轍とてつもない桁違い過度ひどいはなはだこの上ない特別ことさらひたすらめためた異常極度桁外れ並み外れ格段著しい甚だしいすごいものすごい計り知れない恐ろしいひどいえらい筆舌に尽くしがたい言語げんごに絶する言語ごんごに絶する並並ならぬ一方ひとかたならずめちゃくちゃめちゃめっちゃ底抜け恐るべきこよなく殊の外ひときわ特段法外べらぼうとんでもない類がない比類ない無上よっぽど度が過ぎる行き過ぎどえらい飛び切り段違い圧倒的かけ離れる

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精選版 日本国語大辞典 「滅法」の意味・読み・例文・類語

めっ‐ぽう‥ポフ【滅法】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 仏語。
      1. (イ) 因縁の造作によるのではないもの。無為法。
        1. [初出の実例]「生は滅法の始め、終に寂滅をもって楽しみとす」(出典:謡曲・道成寺(1516頃))
        2. [その他の文献]〔大毘婆沙論‐七〕
      2. (ロ) 涅槃のこと。〔仏吉祥徳讚‐下〕
    2. ( 形動 ) 理にはずれること、不条理なほど程度がはなはだしいこと。また、そのさま。とんでもない。とほうもない。滅法彌八。滅法界
      1. [初出の実例]「めっほうな物をかけなと秤やる」(出典:雑俳・千枚分銅(1704))
    3. ( 形動 ) ( 「めっぽうよい」などの略された形で ) きわだってすばらしいさま。
      1. [初出の実例]「象駒が高麗屋はめっぽうだ、調子がいい」(出典:滑稽本・客者評判記(1811)下)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある ) 状態や程度が、並の水準を逸脱しているさまを表わす語。はなはだしく。滅法界。
    1. [初出の実例]「今朝はめっぽう寒(さぶ)いナア」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)前)

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