出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
三度にわたる法会(ほうえ)または3種の法会。「さんね」ともいう。日本の代表的三大勅会(三会)には南京(なんきょう)三会と北京(ほっきょう)三会がある。
(1)諸仏成道(じょうどう)ののち衆生済度(しゅじょうさいど)のため行われる3回の法会。弥勒菩薩(みろくぼさつ)の龍華(りゅうげ)三会(または弥勒三会)は名高く、弥勒菩薩がこの世に下生(げしょう)して人々を救済するために行われるという法会で、仏滅後56億7000万年の未来に予定されている。
(2)南京三会。南都の三種大法会、すなわち興福寺維摩会(ゆいまえ)、宮中御斎会(ごさいえ)、薬師寺最勝会(さいしょうえ)を称する。維摩会は706年(慶雲3)始修、714年(和銅7)興福寺移修、834年(承和1)以後恒例の法会となった。御斎会は768年(神護景雲2)宮中で始修され、813年(弘仁4)以後内論義(うちろんぎ)が加えられた。最勝会は830年(天長7)薬師寺で始修された。宣下(せんげ)して三会で講師を勤めた者を僧綱(そうごう)に任ずるとして以来、三会は比肩するもののない盛儀となった。
(3)北京三会。京都法勝寺(ほっしょうじ)大乗会(だいじょうえ)(1077始修)、円宗寺法華会(ほっけえ)(1116)、同最勝会(1082)を称する。講師は南京とは別に、まず僧綱に任じられたのち三会を遂講するものとされた。
[西山蕗子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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