深み(読み)フカミ

デジタル大辞泉 「深み」の意味・読み・例文・類語

ふか‐み【深み】

深さの度合い。深いという感じ。「樹木の緑の深みがます」
川などの深い所。深間。「深みにはまる」⇔浅み
表面だけではわからない奥深い味わい。「深みのある味」
深入りして身動きのとれない状態。「放蕩深みへ誘い込む」
[類語](1深い奥深い根深い深さ深め深遠深奥深層奥が深い玄奥深部/(2深間深淵淀み

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精選版 日本国語大辞典 「深み」の意味・読み・例文・類語

ふか‐み【深み】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形容詞「ふかい」の語幹接尾語「み」の付いたもの )
  2. 川・沼・谷などの深い所。深い部分。また、奥深い所。⇔浅み
    1. [初出の実例]「淵深(フカミ)」(出典:東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃)一九)
  3. 特に、関係が深くなって抜け出せない状態や立場。まっただなか。渦中
    1. [初出の実例]「息子を深(フカ)みへ引込む魂胆」(出典:歌舞伎お染久松色読販(1813)序幕)
  4. 行為・事態の進行や推移の程度がかなり進んでいる所。
    1. [初出の実例]「労れ切った睡りの深かみから」(出典:大道無門(1926)〈里見弴〉隠家)
  5. 深い度合、程度。⇔浅み
    1. [初出の実例]「そこに深味もあり張りもある」(出典:自己の問題として見たる自然主義的思想(1910)〈安倍能成〉八)

ふか‐み【深み】

  1. ( 形容詞「ふかい」の語幹に「み」の付いたもの。→ ) 深いので。深さに。
    1. [初出の実例]「峰高み 谷を布可美(フカミ)と 落ち激(たぎ)つ 清き河内に」(出典:万葉集(8C後)一七・四〇〇三)

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