寄付(読み)キフ

デジタル大辞泉 「寄付」の意味・読み・例文・類語

き‐ふ【寄付/寄附】

[名](スル)公共事業社寺などに、金品を贈ること。「―を募る」「被災者衣類を―する」「―金」
[類語]贈る贈与寄贈贈答恵贈寄進勧進奉納奉加喜捨献金献納献本募金カンパ

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精選版 日本国語大辞典 「寄付」の意味・読み・例文・類語

より‐つき【寄付】

  1. 〘 名詞 〙
  2. よりつくこと。そばへ寄ること。
    1. [初出の実例]「なべての人、うちとけがたく、心をかれて、人のよりつきすくなし」(出典:評判記・満散利久佐(1656)野関)
  3. 頼りとするところ。よるべ。〔詞葉新雅(1792)〕
    1. [初出の実例]「青菜煮る香の田舎めきけり〈芭蕉〉 寄りつきのなき女房の㒵重き〈岱水〉」(出典:俳諧・袖草紙所引鄙懐紙(1811)元祿六年歌仙)
  4. はいってすぐの部屋。玄関脇にある一室。袴付け。
    1. [初出の実例]「先よりつきに矢の根を琢き立、其次に鑓の間あれば」(出典:浮世草子・浮世栄花一代男(1693)二)
  5. 舞台などの正面。観客に向かった側。
    1. [初出の実例]「神楽堂よりつき丈は戸樋がある」(出典:雑俳・太箸集(1835‐39)四)
  6. 茶庭などに設ける簡略な休息所。
    1. [初出の実例]「兎も角も御寄付(おヨリツキ)から拝見を為(し)て、御庭を拝見為て」(出典:落語・素人茶道(1893)〈三代目春風亭柳枝〉)
  7. 取引市場で、前場または後場の最初の取引。また、その値段。寄り。⇔大引け
    1. [初出の実例]「朝の寄(ヨリ)つき合図の拍子木は」(出典:洒落本・北華通情(1794))
  8. よりつきねだん(寄付値段)」の略。
    1. [初出の実例]「追々繁昌・寄付(ヨリツキ)がヱヱ低いので」(出典:雑俳・冠付五百題(1857))

き‐ふ【寄付・寄附】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 金品を贈ること。特に、公共事業寺社などに金品を進んで出すこと。寄贈。寄進。
    1. [初出の実例]「或号人之寄附、或以由緒之事、令押領所々、其数多候之由」(出典:吾妻鏡‐文治二年(1186)六月二一日)
    2. [その他の文献]〔優婆塞戒経‐三〕
  3. 力を尽くし役に立つこと。
    1. [初出の実例]「是に於て初めて世界の文化に寄附することを得ん」(出典:基督教の美(1897)〈柏井園〉)

より‐つけ【寄付】

  1. 〘 名詞 〙
  2. よりつき(寄付)
    1. [初出の実例]「親疎尊卑の来客を饗応す。是れについて寄り付けの宅をまうけ」(出典:山鹿語類(1665)二一)
  3. しばしば寄っていること。何度も立ち寄ってなじみになっていること。また、その場所や家。
    1. [初出の実例]「ときに貴様は寄(ヨリ)つけの茶やがあらふな」(出典:洒落本・婦美車紫(1774)高輪茶屋の段)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寄付」の意味・わかりやすい解説

寄付
よりつき

待合

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