ザックス(Curt Sachs)(読み)ざっくす(英語表記)Curt Sachs

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ザックス(Curt Sachs)
ざっくす
Curt Sachs
(1881―1959)

ドイツ生まれのアメリカの音楽学者。初め美術史を専攻したがのち音楽学に転じ、国立楽器博物館長、ベルリン大学教授などを務めながら研究に励んだ。1933年ナチスに追われてパリに移り、37年以降アメリカに移住し、アメリカ音楽学会会長など要職を歴任した。楽器学創始者の一人で、世界の楽器を網羅的・科学的に分類した楽器分類法(ホルンボステルと共作)は今日でも広く使われている。また比較音楽学の初期に独自の文化観に基づく多くの研究を残し、今日の民族音楽学の基礎を築いた。主著に『楽器百科全書』(1913)、『古代世界における音楽の発生』(1943)など。

[川口明子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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